夫はいらない第40話逆上

概要

サクラはバラ科サクラ亜科サクラ属の落葉広葉樹の総称、またはその花を指します。ヒマラヤ原産と考えられ、ユーラシア大陸中南部から北半球の温帯に広く自生しています。日本文化に馴染みの深い植物であり、特に日本で花見目的に多くの栽培品種が作出されてきました。観賞用として最も多く植えられているのはソメイヨシノです。

語源

「サクラ」の語源には、春に里にやってくる稲の神が憑依する座（クラ）である説、花の密生する植物全体を指した説、木花之開耶姫の「さくや」からきた説などがあります。漢字の「桜」は、中国では「桜桃」（サクランボの樹）を意味します。

野生種の分類

サクラ属（狭義）とスモモ属（広義）の分類には国や時代による相違があり、現在では両方の分類が使われています。ロシア、中国、1992年以降の日本ではサクラ属として分類するのが主流です。一方で、西欧や北米ではスモモ属として分類するのが主流です。日本に自生する野生種は、オオシマザクラ、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、エドヒガン、マメザクラ、タカネザクラ、チョウジザクラ、ミヤマザクラ、クマノザクラ、カンヒザクラの11種、もしくはカンヒザクラを除いた10種です。

種間雑種

サクラはそれぞれの野生種の中で交雑を行っていますが、種間でも交雑することがあり、そこから有用な個体が生まれて栽培品種として見出されてきました。代表的な種間雑種には、ソメイヨシノ（エドヒガン × オオシマザクラ）、モチヅキザクラ（エドヒガン × ヤマザクラ）、カンザクラ（カンヒザクラ × ヤマザクラ）などがあります。

栽培品種と品種改良

サクラは突然変異が多い植物であり、樹形、花期、花弁の色、実の増減など、様々な特性が発現しやすいことから、鑑賞や食用に有用な個体が選抜され、育成されてきました。日本では主に鑑賞目的で品種改良が進みました。

生態

サクラはほぼ全土で生育可能であり、様々な自然環境に合わせて多様な種類が生まれています。若い樹皮は光沢があり、古くなると表面から徐々に細かく風化していきます。葉の形は楕円形であり、枝に互生し、葉の縁はギザギザになっています。

花

サクラの花弁の色は一般的に白色から濃い紅色までのグラデーションの範囲にあり、花弁の数は五枚から百数十枚まで幅広い。開花期は種や地域によって大きく異なります。日本の代表的な品種のソメイヨシノでは、開花から満開まで1週間、満開から散るまで1週間、花の見頃は満開前後の1週間程度です。

日本人とサクラ

日本において、サクラは特別な地位を占める花であり、古来から観賞用途（花見）で花の代名詞のような特別な位置を占めるようになりました。平安時代以降、桜は春の象徴、花の代名詞として文学全般においてよく使われています。桜の花は、他の自然現象と並び、農業開始の指標とされた場合もあり、各地に「田植え桜」や「種まき桜」と呼ばれる木があります。

文化・文献におけるサクラの歴史

桜は、農業にとり昔から非常に大切なものであり、桜の開花は、他の自然現象と並び、農業開始の指標とされた場合もありました。奈良時代の『万葉集』には桜を含む様々な植物が登場しますが、当時の歌などで単に「花」といえば梅を指していました。桜の地位が特別なものとなったのは平安時代であり、国風文化が育つに連れて徐々に桜の人気が高まり「花」と言えば桜を指すようになりました。平安時代末期の西行法師は、吉野の桜を多く歌にしており、特に「願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月のころ」の歌は有名です。江戸時代の代表的俳人・松尾芭蕉は、「さまざまの事おもひ出す桜哉」と句を詠みました。俳句では単に「花」といえばサクラのことを指し春の季語であり、秋の月、冬の雪とともに「三大季語（雪月花）」です。