剣客商売 49巻

概要

『剣客商売』は、池波正太郎による時代小説であり、1972年から1989年まで『小説新潮』で断続的に連載された。無外流の老剣客、秋山小兵衛を主人公とし、小兵衛と後添いのおはる、息子の大治郎、女剣客の佐々木三冬らが、江戸を舞台に様々な事件に遭遇し活躍する。池波の死去により未完となっているが、晩年のインタビューでは「この後は小兵衛の孫の小太郎を主人公にするつもり」と構想を明かしていた。全16巻の単行本は2012年6月時点で1800万部以上を売り上げ、テレビ・舞台・漫画化されている。

あらすじ

（あらすじについては具体的な内容が記載されていないため要約できません。）

登場人物

主要人物

秋山小兵衛：無外流の達人である老剣客。初登場時は59歳。以降75歳までの姿が描かれる。道場を閉鎖し、鐘ヶ淵に隠居して気ままな生活を送っている。芸術・美食にも関心が強い。
秋山大治郎：秋山小兵衛の息子。最初は実直でやや堅物な青年だったが、徐々に小兵衛のような粋な人間になっていき、次第に江戸で有名な無外流の剣客になっていく。
おはる：小兵衛が鐘ヶ淵に隠居してから、隠宅に奉公にやって来るが、その後、小兵衛の手が付き、結婚。呑気で純朴な性格。料理上手。
佐々木三冬：田沼意次の妾腹の娘。一刀流・井関忠八郎の弟子で、男装の女武芸者。秋山父子と交流を深めていくうちに次第に女らしくなる。後に大治郎と結婚。
田沼意次：10代将軍・徳川家治の寵愛を受けた老中。武芸を奨励しているため、秋山父子に何かと目を懸けている。

準主要人物

弥七：小兵衛の門人だった御用聞き。
徳次郎（傘屋の徳次郎）：弥七の手下。特技は尾行。
長次・おもと：小兵衛がひいきにしている料亭｢不二楼」の板前と女中。後に結婚し、小料理屋｢元長｣を開く。
嘉助：佐々木三冬の老僕。
小川宗哲：本所・亀沢町の町医者。小兵衛とは碁敵の間柄である。
生島次郎太夫：老中・田沼意次の用人。

剣客や小兵衛の同輩

牛堀九万之助：浅草・元鳥越町に奥山念流の道場を構える剣客。
辻平右衛門：無外流宗家で小兵衛の師。故人。
嶋岡礼蔵：小兵衛の弟弟子。大治郎にとっては第二の師でもある。
井関忠八郎：一刀流の名人で、三冬の師。
金子孫十郎：江戸で屈指の剣客。
植村友之助：小兵衛の門人。
内山文太：辻平右衛門の門人。小兵衛の親友。
柿本源七郎：辻平右衛門の道場を訪ねた際、嶋岡礼蔵に敗れ、10年後、再び礼蔵に挑むが引き分けに終わったため、また10年後に果たし合いをする約束をしていた。
伊藤三弥：柿本源七郎の門人で色子。弓の腕前が高い。
間宮孫七郎：小兵衛の道場で代稽古を勤めた後に独立して道場を開く。
柳喜十郎：麻布・森元町に道場をかまえている道場主。
波川周蔵：浪人だが人品卑しからぬ体を持つ。
波切八郎：小野派一刀流の剣士。
三浦平四郎：軽輩の御家人だったが小さな農家を買って隠居していた。