週刊少年ジャンプ 2024年34号

コミック (電子書籍)

概要

『週刊少年ジャンプ』は、集英社が発行する日本の週刊少年漫画雑誌である。略称は『ジャンプ』・『WJ』。1968年に『少年ジャンプ』として月2回刊誌として創刊し、翌1969年より週刊となり『週刊少年ジャンプ』に改名した。2014年9月22日よりアプリケーションとして『少年ジャンプ+』を配信している。

1968年7月11日に『少年ジャンプ』の名称で同年の8月1日号として創刊された。創刊時は月2回(第2・第4木曜日)発売、1969年10月から週刊化された。2003年5月までは毎週火曜日発売、2023年現在は毎週月曜日発売。シンボルマークの海賊マーク(ジャンプパイレーツ)の名前は「ジャーニー」。1994年12月末発売の1995年3・4号で653万部という日本国内における漫画雑誌の最高発行部数を記録した。

雑誌キーワードは「友情・努力・勝利」。以前は全ての掲載作品のテーマにこの要素または繋がるものを最低1つ、必ず入れることが編集方針になっているとされていた。この標語は同誌の前身とも言える月刊漫画雑誌『少年ブック』の編集方針から受け継いだものであり、元は小学校4年生・5年生を対象にしたアンケートによって決められたものである。しかし、「少なくとも今はそんなテーマはないと思う」「少年マンガを作っていればそんなテーマは自然発生的に出てくる」という意見を持つ編集者や、「一度も標榜したことはない」「大事なのは、作品が面白いかどうか。そして、対象の読者に伝わるかどうかだけ」と断言する編集者もおり、現代では絶対的な要素ではない。

紙面を超えた活動にも積極的で、『週刊少年ジャンプ』関連のオリジナルグッズを販売する店舗(ジャンプショップ)やウェブコミック配信サイト(ジャンプデジタルマンガ・少年ジャンプ+)、テーマパーク(J-WORLD TOKYO)、テレビ番組(サキよみ ジャンBANG!・特捜警察ジャンポリス)などを擁している。

歴史

創刊

1968年 - 1969年
1968年7月11日創刊。創刊号の公称発行部数は10万5000部。「父の魂」「男の条件」「ハレンチ学園」「男一匹ガキ大将」(1968年 -)、「デロリンマン」(1969年 -)などが連載。

1970年代

1970年 - 1974年
1971年、公称発行部数が100万部を突破。1973年8月に『週刊少年マガジン』を抜いて雑誌発行部数で首位。「あらし!三匹」「ど根性ガエル」「トイレット博士」(1970年 -)、「侍ジャイアンツ」「荒野の少年イサム」「ライオンブックス」(1971年 -)、「アストロ球団」「マジンガーZ」(1972年 -)、「はだしのゲン」「包丁人味平」「プレイボール」「大ぼら一代」「女だらけ」(1973年 -)、「妖怪ハンター」(1974年 -)などが連載。

1975年 - 1979年
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(1976年 -)は連載が40年続くロングラン作品となった。それ以外にも「1・2のアッホ!!」(1975年 -)、「悪たれ巨人」「東大一直線」(1976年 -)、「すすめ!!パイレーツ」(1977年 -)、「キン肉マン」(1979年 -)、「サーキットの狼」「ドーベルマン刑事」(1975年 -)、「リングにかけろ」「朝太郎伝」「ホールインワン」(1977年 -)、「コブラ」「さわやか万太郎」(1978年 -)、「私立極道高校」「テニスボーイ」(1979年 -)などが連載。1978年、公称発行部数が200万部を突破。

1980年代

1980年 - 1983年
1980年、公称発行部数が300万部を突破。「Dr.スランプ」「山崎銀次郎」「激!!極虎一家」「3年奇面組」(1980年 -)、「キャプテン翼」「キャッツ♥アイ」「ストップ!! ひばりくん!」「ブラック・エンジェルズ」(1981年 -)、「風魔の小次郎」「キックオフ」「よろしくメカドック」(1982年 -)、「ウイングマン」「シェイプアップ乱」「天地を喰らう」「北斗の拳」「銀牙 -流れ星 銀-」(1983年 -)などが連載。

1984年 - 1986年
1984年1・2号より、創刊以来使用されていた誌名ロゴを一新する。1983年に発売されて読者層に注目されたファミリーコンピュータのゲームソフト紹介コーナーが「ファミコン神拳」を皮切りとして登場した。1984年12月の年末最終号(1985年3・4合併号)で公称発行部数が400万部を突破。「きまぐれオレンジ☆ロード」「男坂」「ドラゴンボール」(1984年 -)、「シティーハンター」「ついでにとんちんかん」「魁!!男塾」(1985年 -)、「聖闘士星矢」「赤龍王」「空のキャンバス」「県立海空高校野球部員山下たろーくん」(1986年 -)などが連載。

1987年 - 1989年
1988年2月23日発売の1988年13号で創刊号から1000号を達成し、この年に創刊20周年を迎える。さらには1988年12月の年末最終号(1989年3・4合併号)で公称発行部数が500万部を突破。「ジョジョの奇妙な冒険」「燃える!お兄さん」「ゴッドサイダー」「THE MOMOTAROH」(1987年 -)、「BASTARD!! -暗黒の破壊神-」「ろくでなしBLUES」「ジャングルの王者ターちゃん」「神様はサウスポー」「まじかる☆タルるートくん」「ボクはしたたか君」(1988年 -)、「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」「電影少女」(1989年 -)などが連載。

1990年代

1990年 - 1993年
「花の慶次」「SLAM DUNK」「珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-」「幽☆遊☆白書」(1990年 -)、「アウターゾーン」「ペナントレース やまだたいちの奇蹟」(1991年 -)、「モンモンモン」「ボンボン坂高校演劇部」「BØY」「究極!!変態仮面」(1992年 -)、「地獄先生ぬ〜べ〜」「NINKU -忍空-」「とっても!ラッキーマン」「D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜」(1993年 -)などが連載。1990年からゴールデンウィークに合併号が発刊されるようになった。また、1991年からはお盆の合併号が刊行開始。その前のお盆の合併号は1972年に34・35合併号が一度あったのみだった。1990年から1992年までF1チーム『マクラーレン』のスポンサーになり、巻頭のカラーページに特集記事が組まれる。同時にF1を題材とした作品が数点掲載された。1993年31号で創刊25周年を迎える。記念イベントとしてこの年の夏休みに、創刊以来最大規模となるイベント「週刊少年ジャンプ創刊25周年特別企画 ジャンプマルチワールド」を東京後楽園で開催。19日間の開催期間で約16万人を動員した。公称発行部数は1991年3・4号で602万部を突破。週刊誌が全国紙の発行部数を抜いたとして一般メディアも報道する。

1994年 - 1996年
「王様はロバ〜はったり帝国の逆襲〜」「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」「みどりのマキバオー」(1994年 -)、「陣内流柔術武闘伝 真島クンすっとばす!!」「レベルE」「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」(1995年 -)、「WILD HALF」「幕張」「封神演義」「遊☆戯☆王」(1996年 -)などが連載。1994年11号から綴じ方が変更になった。1994年10号まではホチキス止めだったが、この号より広く見やすくなった。1994年12月の1995年3・4号で653万部の歴代最高部数を達成するが、その後1995年25号で「ドラゴンボール」、1996年27号で「SLAM DUNK」と、看板作品が立て続けに終了し、公称発行部数が減少に転ずる。1996年52号で、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が本誌初の連載1000回に到達した。

1997年 - 1999年
発行部数がこれまでの公称から印刷証明付部数(実際に発行した証明のある部数)に切り替わる。その結果、1997年48号で『週刊少年マガジン』に発行部数を抜かれる。「花さか天使テンテンくん」「I"s」「世紀末リーダー伝たけし!」「ONE PIECE」「明稜帝 梧桐勢十郎」(1997年 -)、「ROOKIES」「ホイッスル!」「HUNTER×HUNTER」「シャーマンキング」「ライジングインパクト」(1998年 -)、「ヒカルの碁」「テニスの王子様」「NARUTO -ナルト-」(1999年 -)などが連載。部数の降下傾向は続くものの、『週刊少年マガジン』についで2位は維持。また、1998年からは14年間使用した誌名ロゴの変更、経済面を考慮し表紙のギミックを廃止するなどの試行錯誤が続いた。

2000年代

2000年 - 2004年
「SAND LAND」「BLACK CAT」「ピューと吹く!ジャガー」(2000年 -)、「ボボボーボ・ボーボボ」「Mr.FULLSWING」「BLEACH」(2001年 -)、「いちご100%」「アイシールド21」(2002年 -)、「武装錬金」「DEATH NOTE」(2003年 -)、「銀魂」「家庭教師ヒットマンREBORN!」「D.Gray-man」「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」(2004年 -)などが連載。1998年(平成10年)から開設した公式サイト「POP WEB JUMP」が拡張を続け「デジタルマンガ部門」が新設、サイト上で漫画を連載させるなど新しい試みが行われたほか、2000年からジャンプフェスタが毎年開催され、イベント限定グッズの販売や連載作家を招待するなどしている。漫画業界全体の発行部数が落ち込む中、2002年(平成14年)8月に『週刊少年マガジン』を抜いて再び漫画誌の発行部数1位となる。「ドラゴンボール」終了後から減少した実売率も、94~95%に回復した。

2005年 - 2009年
「魔人探偵脳噛ネウロ」「太臓もて王サーガ」「べしゃり暮らし」(2005年 -)、「To LOVEる -とらぶる-」「エム×ゼロ」「P2! - let's Play Pingpong! -」(2006年 -)、「サムライうさぎ」「ぼくとわたしの勇者学」「SKET DANCE」「初恋限定。」「PSYREN -サイレン-」(2007年 -)、「ぬらりひょんの孫」「トリコ」「バクマン。」「いぬまるだしっ」「黒子のバスケ」(2008年 -)、「べるぜバブ」「めだかボックス」「保健室の死神」(2009年 -)などが連載。2008年の34号で創刊40周年を迎え、同年48号にて創刊号から通算2000号を達成。連載作品の単行本売り上げは好調に推移している一方、グロテスクな表現、生命倫理に反するとして日本PTA全国協議会によるメディアランキング雑誌部門で『少女コミック』を抜き、ワースト1位にランキングされた。誌面を越えた活動の一環として2009年4月3日から、テレビ東京系列毎週金曜日18:00〜18:30に『週刊少年ジャンプ』・『ジャンプスクエア』・『Vジャンプ』共同のジャンプ専門情報番組『サキよみ ジャンBANG!』を放送した(2014年3月28日に放送終了)。

2010年代

2010年 - 2014年
「クロガネ」「ニセコイ」(2011年 -)、「ハイキュー!!」「斉木楠雄のΨ難」「暗殺教室」「食戟のソーマ」「新米婦警キルコさん」(2012年 -)、「ワールドトリガー」「SOUL CATCHER(S)」「磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜」(2013年 -)、「火ノ丸相撲」「僕のヒーローアカデミア」(2014年 -)などが連載。2010年の2号で印刷証明付発行部数が300万部に復帰。2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響で17号が臨時休刊(発売延期)。この出来事が発行と連載作品の発表方法に大きな影響を与えたと同時に、週刊少年ジャンプの根強い人気を世に見せた。2013年、創刊45周年を記念してテーマパーク「J-WORLD TOKYO」(東京サンシャインシティ)を開園。2013年33号(創刊45周年記念号)では史上初めてデジタル版が発売同日に電子書籍で有料配信された。2014年9月22日、マンガ雑誌アプリ「少年ジャンプ+」を創刊。これ以降、発売当日に電子版が有料配信されるようになる。

2015年 - 2019年
「鬼滅の刃」(2016年 -)がテレビアニメ化された後に各メディアで取り扱われるなど高い人気を獲得、社会現象と呼ばれるほどのヒットになる。他にも、「ブラッククローバー」「背すじをピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜」「左門くんはサモナー」(2015年 -)、「ゆらぎ荘の幽奈さん」「BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-」「約束のネバーランド」「青春兵器ナンバーワン」(2016年 -)、「ぼくたちは勉強ができない」「Dr.STONE」「トマトイプーのリコピン」(2017年 -)、「アクタージュ act-age」「呪術廻戦」「思春期ルネサンス!ダビデ君」「ジモトがジャパン」(2018年 -)、「チェンソーマン」「夜桜さんちの大作戦」「ミタマセキュ霊ティ」(2019年 -)などが連載。2016年、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が40年に渡る長期連載に幕を閉じた。少年漫画雑誌最長の連載記録であり、マスメディアにも大きく取り上げられ、最終話が掲載された42号は5日も経たず完売状態となり、12月31日に創刊以来初の重版が発売された。2017年、創刊50周年を記念した「週刊少年ジャンプ展」が、翌2018年に跨り全3回に分けて六本木ヒルズで開催された他、『復刻版 週刊少年ジャンプ』が発売された。一方で、1~3月の印刷部数(電子版含まず)が1978年に突破して以来、維持していた200万部を割った。2018年7月に発生した平成30年7月豪雨の影響により、7月9日発売分の32号の配送が被災地を中心に大幅な遅延、未配達という事態が発生した。そのため、インターネット上で同号の無料配信が7月17日から31日にかけて実施された。2019年4月8日から6月10日の期間限定で、本誌と『週刊少年マガジン』の連載作品約150タイトルを無料で読むことができるウェブサイト『ジャンマガ学園』を立ち上げた。『少年ジャンプ+』と『マガジンポケット』との、史上初めての共同企画だった。

2020年代

2020年 -
「AGRAVITY BOYS」「アンデッドアンラック」「マッシュル-MASHLE-」「森林王者モリキング」「あやかしトライアングル」「破壊神マグちゃん」「灼熱のニライカナイ」「僕とロボコ」「BURN THE WITCH」「仄見える少年」「高校生家族」「SAKAMOTO DAYS」(2020年 -)、「逃げ上手の若君」「ウィッチウォッチ」「アオのハコ」「PPPPPP」(2021年 -)、「あかね噺」「ルリドラゴン」「一ノ瀬家の大罪」「暗号学園のいろは」(2022年 -)、「キルアオ」「鵺の陰陽師」「カグラバチ」(2023年 -)などが連載。2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置とし、全国の公立小中学校を臨時休校とする要請が公立小中学校に渡されたため、2020年1~13号までのインターネット上での無料配信を同月31日まで実施することを発表した。2020年4月8日、編集部に勤務する40代社員に新型コロナウイルス感染の疑いがあることを公表。これに伴い4月20日発売予定の21号を翌週の27日に21・22号合併号として発売することを発表した。2020年5月11日、作家へのコロナ対策の影響により連載漫画の休載が増えることを明かした。2020年5月15日、集英社の「週刊少年ジャンプ」「ジャンプSQ.」マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」の編集部は漫画家、漫画家志望者を対象とした漫画制作の講座「週刊少年ジャンプ・ジャンプSQ.・少年ジャンプ+ present ジャンプの漫画学校」を合同で創設することを発表。2021年13号から短編読み切り枠『ジャンプ・ショート・フロンティア』がスタート。2022年7月、『週刊少年ジャンプ』と『週刊少年サンデー』 の共同企画として、『ONE PIECE』の尾田栄一郎と『名探偵コナン』の青山剛昌のスペシャル対談が行われ、これを記念としたコラボレーション企画として、同年発売の『週刊少年ジャンプ』34号の表紙に名探偵コナンの登場人物である安室透の、同じく同年発売の『週刊少年サンデー』35号の表紙にONE PIECEの登場人物であるロロノア・ゾロのイラストが掲載されている。なお、週刊少年ジャンプに集英社以外の他誌のキャラクターのイラストが掲載されるのは初のケースとなる。2023年時点での原稿料(1ページ)は、モノクロが18700円以上、カラーが28050円以上としている。

特徴

読者層

編集部は小中学生男子を主な読者対象として想定している。売上最盛期である1980年 - 1990年代は人口の多い団塊ジュニア世代が読者層の中心にあたり、この世代の男性の多くにとってなじみ深い漫画誌とされている。2012年の調査では、読者構成は中学生を中心として小学校高学年から高校生が主であり、『週刊少年マガジン』(講談社)・『週刊少年サンデー』(小学館)・『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)よりも低年齢寄りである。2012年9月時点では男女比が約8対2、年齢層は9歳以下が5.1%、10 - 15歳が約63%、16歳以上が31.9%となっている。また、集英社広報によると2009年時点で読者アンケートのうち7割を10代が占めているという。

掲載作品

基本的に掲載作品はバトル漫画・スポーツ漫画・ギャグ漫画などの少年漫画が主流であり、競合他誌に比べてSF・冒険物などファンタジー的な作風が多い傾向にある。一方でラブコメディ、社会派・ドキュメンタリー作品なども定期的に掲載されている。少年層が共感しにくい大人向けなどジャンプと合わない作品は編集者が良作と感じても掲載できないため、新人の持ち込みに対してはグランドジャンプの新人賞や少年ジャンプ+へ誘導するなどのフォローを行っている。また連載中の作品でも、作風と読者対象、連載ペースなどを考慮し青年向けや月刊の派生誌へ移籍して継続する場合もある。

装丁

表紙は基本的に連載漫画作品が担当している。表紙に選ばれる作品は新連載や周年を迎えた作品が多い。2018年14号時点で表紙を飾った回数が最も多いキャラクターは『ONE PIECE』のモンキー・D・ルフィで、計336回飾っている。2018年36・37号の表紙は、同号掲載の漫画作品のキャラクターに加え、ロックバンド・サザンオールスターズのイラストが表紙を飾る。合併号では複数作品のキャラクターが並ぶ「集合表紙」となるが、休刊によるズレなどで通常号に使われることもある。背表紙も基本的に表表紙の作品が飾っている。連載10周年などを迎えた作品が1年を通じて背表紙イラストを独占することもある。1970年代後半から1980年代前半までと、1990年代の一時期は他社の週刊少年漫画誌と同じく女性アイドルによる表紙・グラビアやスポーツ選手が表紙・巻頭を飾ることもあったが1996年を最後に、以降は例外的に連載作品の実写化を演じた俳優やキャラクターのコスプレ姿が掲載される程度でほぼない。本誌内では2色の情報ページなどで劇場公開直前の映画特集や、連載中の作品がアニメ化された場合にその声優や制作スタッフを紹介する特集、スポーツ選手の特集やインタビュー記事が掲載されることもある。2012年18号では「W(ダブル)巻頭カラー」と称して表表紙と裏表紙で上下を逆さまにし、表表紙は『めだかボックス』、裏表紙は『黒子のバスケ』と2作が同時に表紙・巻頭を飾った。

編集方針

新人の登用と専属契約制度

創刊以来、新人作家を積極的に登用し続けている。これは創刊時点で後発だったことから、当時の他誌で人気作品を連載している漫画家を確保出来ず、連載作家のほぼ全員を新人で揃えることになったことに由来する。この方針は、週刊少年漫画雑誌で最大部数を誇るようになってからも継承されており、現在でも編集部は新人育成に力を入れている。近年ではデビューを目指す漫画家志望者に対し、現役の連載作家や編集部員を講師に招いた『ジャンプの漫画学校』を開催している。近年では他誌で連載経験のある作家の獲得も行っている。本誌でデビューした作家は必ず集英社と専属契約を結ぶ。この契約が結ばれている間、作家は原稿料と別に契約料を貰える代わりに、他の出版社での仕事や専属契約終了後を見越した交渉をすることすらできない。各作品の欄外における「○○先生の漫画が読めるのはジャンプだけ!」などの煽りはこの契約によるものである。講談社でデビュー済だったが、『ハレンチ学園』でブレイクした永井豪が他誌でも連載を開始し、危機感を持った編集長(当時)長野規が発案した。『男一匹ガキ大将』を連載していた本宮ひろ志と最初に契約が結ばれた。しかし、本来の最終回を西村により勝手に修正され、不本意な連載延長を強いられたため、本宮は専属契約を解除、週刊少年マガジンで『群竜伝』の連載を開始。更に『男一匹ガキ大将』の文庫版から該当部分以降を削除した(電子書籍版では復活)。このような編集による作品への過剰な介入や人間関係が問題となった事例もある。西村は集英社退社後に自著で「漫画家に対する執筆保証の項目がない他、契約期間中は他誌との執筆交渉すらできないという点で、極めて編集部に有利な契約である」と指摘している。ジャンプと同じく専属契約制度がある週刊少年マガジンでデビューし専属契約をしていた赤松健は、作家1人につき3人の編集者が意見を出すマガジンや、専属契約制度が無く作家と編集の結びつきが弱い週刊少年サンデーと比較し、合わない編集者が当たった場合は辛いのではないかと発言している。村上もとか、甲斐谷忍、キユ(現・松井勝法)、霧木凡ケン(現・桐木憲一)、濱田浩輔など、本誌ではヒット作を出せなかった作家が契約を更新せず、他誌・他社へと活動の場を移して成功した例もある。漫画原作者については、臨時雇いの編集者から転向して『アストロ球団』のヒットを出した遠崎史朗や、本宮ひろ志の友人で居候だった武論尊など、初期は周辺からのデビューが多かったが、漫画家から転向した者(稲垣理一郎など)や、他社でデビューした小説家(西尾維新など)が起用されることもある。また、『テニスボーイ』の寺島優を輩出した「ジャンプ原作大募集」「梶原賞」「ストーリーキング」など、漫画原作者の新人賞を断続的に開催し、人材発掘を行っている。

アンケート至上主義と打ち切り

週刊少年ジャンプは他誌と比較しても、読者アンケートを参考にして編集の方針を定める傾向が強い。アンケートによる評価は作家の実績・経歴に関係なく平等に適用され、「アンケート至上主義」と呼ばれる。このため、一世を風靡した作品・作家でもアンケートが悪いと連載が打ち切られることがある。例として『ボボボーボ・ボーボボ』の澤井啓夫、『黒子のバスケ』の藤巻忠俊、『ぬらりひょんの孫』の椎橋寛、『NARUTO -ナルト-』の岸本斉史、『トリコ』の島袋光年、『べるぜバブ』の田村隆平、『食戟のソーマ』の附田祐斗・佐伯俊などはヒット作の次に連載した作品の人気が低迷し短期間で連載を終了している。ただしある程度の人気作は本誌連載が打ち切られても単行本、増刊号・派生誌、アプリ版などに完結編を掲載することも多い。打ち切りが決定した作家にも担当の編集者が付き次回作に向けてのサポートがあることから、作品の打ち切りが作者の戦力外通告ではない。『魔少年ビーティー』が10週で打ち切られた荒木飛呂彦は連載終了後に編集者とアンケートを分析することで好評だった要素を見つけ出し、代表作となる『ジョジョの奇妙な冒険』に繋げている。松井優征は、アンケートはグライダーのように次第に高度(人気)が下がっていき、対策を取らなければ着地(最下位)して終了(打ち切り)になるが、上昇気流(人気となる要素)を掴めば高度(人気)が一時的に回復、また下がっていく、を繰り返すと語っている。掲載順も基本的にアンケート上位の作品であるほど前になるが、アンケート結果が厳格に運用されて構成されるわけではなく、編集部の販売戦略やデータマイニング、メディアミックスのタイミングなども加味して誌面・作品の構成が左右されることがある。西村繁男は「アンケートが2位以下の作品はすべて終了候補である」と言い切っている。真倉翔・岡野剛は「アンケートの結果に基づき作品の内容を変えたり、あらゆる創意工夫が求められ、いつ連載を打ち切られるか、常に心配していた」と言及している(『地獄先生ぬ〜べ〜』文庫版)。一方、打ち切りに備えて完結に至る展開をあらかじめ複数構想している作家もおり、和月伸宏は『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の連載前に「30週で連載終了した場合」を想定した短期間で完結する構成を用意していた(後に再構成した『キネマ版』を発表している)。武論尊は『北斗の拳』が短期間で終わる事も想定し、連載当初は17週で終了する程度での構想で開始し、それ以降はその場の流れで書き続けたと後に発言している。三条陸は『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』の連載開始当初、最悪10週で打ち切りになることも念頭において、ダイとポップの旅立ちがちょうど10話目になるように構成した。人気が出たことによりその10話目が巻頭カラーとなり、国民的ゲームの漫画化でプレッシャーも大きかっただけに、1番胸を撫で下ろした瞬間だったという。2018年の基準では、基本的にコミック1~2巻の売り上げが一定に達しない場合に打ち切りとなるが、紙媒体とアプリ、作家や作風などの違いも考慮されるため明確な数字は挙げられないとしている。ただし『THE COMIQ』(全1巻)や『バオー来訪者』(全2巻)のように、企画段階から短期で完結させる予定の作品(短期集中連載)も不定期に掲載されている。このような作品を除き、史上最も早く連載が打ち切りとなった作品は澤井啓夫『チャゲチャ』(2008年)の8週である。連載を開始した作家は長期的な展開よりも、アンケートによる瞬間的な人気を重視する編集方針への対応が求められ、そのためにテクニックも考案されている。人気を維持するため突飛な設定や急展開を繰り返した車田正美は「自分の漫画に必要なのは起承転結ではなく、いかに読者を驚かせるかだ」と語っている。また、尾田栄一郎は「『読者は5年で入れ代わるもの』それが長期エンタメのセオリーです。(中略)いつか去っていく人達であり自分に『おごるな』と言い聞かせていた。」と語っている。アンケートが連載期間のみならず内容にも影響を与えるという方針が合わないと感じる作家もおり、週刊少年ジャンプでデビューし2度の連載経験がある濱田浩輔は専属契約を解除して他社の月刊誌へ移籍後、ヒット作を生み出した。

ジャンプナイズ

「友情」「努力」「勝利」のテーマや少年漫画らしい画風が求められるため、画風やストーリーを誌面に合わせる「ジャンプナイズ(ジャンプ化)」が行われることもある。イラストレーター出身の出水ぽすかは、『約束のネバーランド』の連載にあたり絵柄をジャンプ作品に寄せようとしたが上手くいかず、初期は普段イラスト投稿サイトに上げるようなタッチで描いていた。しかし『ハイキュー!!』や『鬼滅の刃』など、同時期に連載されていた作品を参考に徐々にジャンプナイズしていったという。

作品のメディアミックス

集英社は自らメディア化に関与をすることは少なく、特に映像化に関しては良い条件でオファーが来て初めて映像化する方針を採っている。一方で小説化・VOMIC化などは自社媒体で行われている。

テレビアニメ化

人気作品の大半はテレビアニメ化され、2010年代以降から地上波に代わる全国放送として衛星放送(BS・ CS)でも放送されている。劇場映画・OVAで展開される作品もあり、『ドラゴンボール』『ONE PIECE』『NARUTO -ナルト-』『BLEACH』などのように日本国外でも高い人気を誇る作品もある。最初期を除く1970年代までのジャンプ編集部は、作品をテレビアニメで無料放送すると、読者が満足して雑誌・単行本が売れなくなると懸念していた。しかし、連載作品の『Dr.スランプ』に対して複数のテレビ局からオファーがあり、フジテレビ編成局長(当時)・日枝久が何度も集英社を訪ね、その熱烈な要望に集英社が折れてアニメ化が許諾された。『Dr.スランプ アラレちゃん』(1981年放映開始)の放送により販売促進・版権など予想を超える収益を得たため、これより集英社は自社作品のアニメ化に積極的になる。他誌のアニメ・ドラマ化作品に比べて全日帯アニメが多い。しかし、2000年代になると少子化の影響で全日帯アニメ枠が減り、2010年代以降は内容を問わず深夜枠での放送が多くなっている。特殊な事例として『斉木楠雄のΨ難』はシーズンごとに放送形態が異なり、1期は『おはスタ』で放送され、翌週に5話まとめて深夜に放送するという変則的な放送形態を採っていた。2期は深夜のみの放送になり、完結編は朝に放送され、Ψ始動編はNetflix独占となった。全てのキー局で作品をアニメ化した実績があり、2010年代に入るとTBSの在阪局であるMBS制作でのアニメ化が増えているが、一部はUHFアニメとしてTOKYO MXなどの地方局やBS11にて放送される作品もある。『ハイキュー!!』や『食戟のソーマ』のように、第1期はTBS系で放送されたのに対し、第2期はUHFアニメとして放送されたりと、シーズン毎のネット形態が異なることもあるが、BSでは全国放送が可能であるため、ネット局や時間帯の変更はあまり問題にならない。NHKでは2010年に初めてジャンプの新作アニメ作品である『バクマン。』が放送された。2012年、週刊少年ジャンプのテレビアニメ第1話だけを収録した『ジャンプスーパーHEROESスペシャルコレクションDVD』が発売された。

アニメ映画化

主にテレビアニメの劇場版として放映。『ドラゴンボール』『ONE PIECE』『NARUTO -ナルト-』『BLEACH』『僕のヒーローアカデミア』などシリーズ化したものもある。2020年代に入ると、日本歴代興行収入ランキングでも上位に数えられるほどの映画作品が見られるようになった。

VOMIC化

集英社のヴォイスコミック「VOMIC」で展開された作品もある。『サキよみ ジャンBANG!』でテレビ放送された作品も多い。

Flashアニメ

短編作品などはFlashアニメを製作して、インターネット上に配信されたことがある。

レコード・CD化

1970年32号(創刊2周年記念号)にて、本誌の100万部突破記念ソングとして「ジャンプソング」(作詞:本庄一郎(本庄慧一郎)、作曲:玉野良雄、歌:熊倉一雄)が発表され、応募者全員プレゼントとして、集英社宛に封書にて15円分の切手を同封し郵送すると、同曲を収録したソノシートが貰えた。1978年に、ビクターから当時の連載作品のイメージソングを収録したLPレコード『スーパー・サウンド・コミックス「少年ジャンプ」』(規格番号はJBX-188)が発売された。また、集英社のドラマCDレーベル「集英社ドラマCD」で展開された作品もある。

価格:
300円
配信開始日:
2024-07-23 00:00:25
シリーズ:
週刊少年ジャンプ
出版社:
集英社
作者:
週刊少年ジャンプ編集部

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