まちカドまぞく 6巻 【紙・電子共通おまけ付き】

4コマ漫画

『まちカドまぞく』とは

『まちカドまぞく』は、伊藤いづもによる日本の4コマ漫画作品です。2014年11月号から芳文社の『まんがタイムきららキャラット』にて連載が開始され、2022年12月号にて休載となりましたが、2023年7月号より連載が再開されました。

架空の町「多魔市」を舞台に、突然まぞく(魔族)の力に目覚めた闇の一族の末裔であるシャミ子こと吉田優子が、闇の一族の始祖であるリリスに使命を与えられ、光の一族の末裔である魔法少女の千代田桃に勝つためにあらゆるつてを使い勝負を挑む奮闘記を描いています。シャミ子と桃の二人を中心とした日常生活を描くファンタジー系コメディ4コマ漫画です。

舞台となる町の外では光と闇の勢力の過酷な闘争が行われていることが断片的に言及されるなど、戦闘美少女ものの設定やファンタジーの要素が詰め込まれているものの、劇中では規模の大きな戦いが起きることは少なく、基本的にシャミ子と桃のほのぼのとした日常を中心に、友人知人や町内規模のトラブルを解決する物語が描かれています。

主要登場人物

吉田 優子 / シャミ子

本作の主人公。桜ヶ丘高等学校の1年D組に在籍する女子高生です。身長145cmで小柄な容姿をしています。普段は丁寧語で話しますが、威厳あるまぞくとして振る舞おうとしている時には尊大な口調になります。

勉強と運動は苦手で、桃いわく「おばか」です。真面目な性格で倹約家かつ努力家ですが、かなりのドジで空回りしてしまうことが多いです。

15歳のある朝、突然闇の一族の力に目覚めて角としっぽが生え、以降は母の清子から与えられたまぞくとしての活動名「シャドウミストレス優子」を名乗るようになります。しかし、呼びづらいため、桃をはじめとする学校の友人や教師からはシャミ子と呼ばれています。

宿敵である光の一族の巫女=魔法少女を倒す使命を帯びたことで魔法少女である桃に戦いを挑みますが、まぞくになったとはいえ特に強くなったわけではなく、未熟で魔力も低いため力の差は大きいです。加えて意志の弱さから桃と仲良くなり、事あるごとに助けられて借りを作る関係になってしまう。

人を傷つけられないほどに心優しいまぞくらしからぬ性格から皆に信頼されており、桃への借りを返して立派なまぞくになれるように日々努力しています。「みんなが仲良くなりますように」という根源的な願いを持つ、優しいまぞくです。

千代田 桃

シャミ子と同じ桜ヶ丘高等学校に通う、光の一族の巫女(魔法少女)です。クラスは1年A組で、身長166cmのすらりとした容姿をしています。

クールで無表情な一方で大雑把な性格で、物の置き場所や宿題のタスク管理にルーズです。趣味は筋トレで、魔法少女としての超人的な身体能力と筋力の併用により、変身しなくても握力計を振り切ったり、巨大な鉱山車両用タイヤを片手で持ち上げたりできるほどの怪力を持つ。

孤児だったが、彼女に魔法少女の素質を見いだした桜によって義理の妹として引き取られたという生い立ちを持つ。魔法少女として現役だった頃にはもっと笑う柔らかな性格だったとされるが、当時のことや魔法少女を引退しようとした経緯、町を守ろうとする動機などについては頑なに話そうとしない。

物語の冒頭でダンプカーに轢かれそうになっていたシャミ子を救う。これがきっかけで彼女と交流を持ち始め、シャミ子がまぞくであることを知った上で躊躇なく魔法のステッキを渡したり変身したりするようになる。

当初は急激にまぞくとして覚醒したシャミ子が闇に飲まれて暴走することを懸念しており、またまぞくに対して不寛容な他の魔法少女によって討伐されてしまうことを防ぐために、自分に突っかかってくるシャミ子をあしらいながら、彼女を鍛えさせたり守ろうとしたりするようになる。

第12話で怪我の手当を受けた際に図らずもシャミ子に生き血を奪われて魔力を吸われ、第28話でシャミ子を救出するために一時的に闇堕ちしたことで光と闇の魔力のバランスが不安定になるなど、シャミ子と関わることで魔法少女としては弱体化していく。しかし桃自身は、何もなくてもいずれ愛らしく頑張り屋なシャミ子のことを好きになっていたであろうとしている。

物語の舞台

物語の舞台となる「多魔市」は、東京都多摩市がモデルになっているとされており、多摩市周辺の地名をもじった地名が登場します。主要な舞台である「せいいき桜ヶ丘」という地名は多摩市に実在する聖蹟桜ヶ丘駅に由来するが、作者によれば、劇中の描写は聖蹟桜ヶ丘駅よりも唐木田や多摩センター駅周辺の街並みをイメージしているとされる。

多魔市は、様々なところから追われてきた多種多様な文化の吹き溜まりというコンセプトがあり、ヨーロッパや中国などの様々な文化が集まる終着点で、世界地図の東の果てにある辺境の地である日本そのものの縮図でもあるとしている。

『まちカドまぞく』の魅力

『まちカドまぞく』の魅力は、シャミ子と桃の二人の関係性の変化にあります。当初は敵対していた二人ですが、共に過ごすうちに互いのことを理解し、友情を育んでいきます。まぞくであるシャミ子と魔法少女である桃の対比が面白いだけでなく、二人の個性がぶつかり合いながらも成長していく様は、読者にとって非常に魅力的なものです。

また、作品全体に漂うほのぼのとした雰囲気も魅力です。日常的な出来事を通して描かれる二人の関係性や、個性豊かなキャラクターたちの掛け合いは、クスッと笑える場面も多く、ほっこりする気持ちにさせてくれます。

さらに、作品の舞台である「多魔市」は、作者の伊藤いづもが幼少期に過ごした東京都多摩市がモデルになっており、多摩市周辺の地名をもじった地名が登場します。実際に存在する場所が舞台になっているため、親近感を感じられる人も多いのではないでしょうか。

『まちカドまぞく』は、まぞくと魔法少女という対照的な存在が織りなす、笑いと感動の物語です。二人の関係性の変化や、個性豊かなキャラクターたち、そして日常的な出来事を通して描かれる人間模様に注目して読んでみてください。

価格:
935円
配信開始日:
2021-02-25 00:00:19
シリーズ:
まちカドまぞく
出版社:
芳文社
作者:
伊藤いづも
レビュー:
5

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